リカーショップ 店舗デザイン|量り売り・ワインセラー・リカーショップ 店舗デザイン

ちば まさゆき執筆!繁盛する店舗デザインなんてあたりまえ!!酒屋偏

目次


リカーショップの新しいデザイン

2003年の酒販免許の大幅な規制穏和によって、酒は「どこでも買える」状態になってくる。そこで、いかにしてお客に選択してもらえる店になるかが最大の課題となる。これからの酒販店の 店舗空間は、そこがただ心地良い空間の店というだけでなく、酒と相性のよい食品の提供、立ち飲みコーナー、量り売りやワインセラーの設置など酒の持つ文化的な奥行きの深い演出空間をつくりあげることが重要になってくる。 では、次に飲食店開業の基本となる事項を順を追って述べてみましょう。


1)2003年酒類販売免許自由化に対する酒販業界の最新動向

最近の酒類流通販路においては、コンビニー、食品スーパーといった新販路のシェアが増大している。その一方で、昔ながらの一般酒販店(いわゆる町の酒屋)のシェアの低下が著しい。 こうした動きをさらに加速させることになるのが、'98年から始動した、酒販免許の大幅な規制穏和である。その内容は、これまで参入障害となっていた、受給調整要件を構成する2つの基準のうち「距離基準」は2001年1月に廃止され、 また「人口基準」は、'98年9月から5ヶ年かけて段階的に穏和されるというもので、2003年9月には受給調整要件はすべて廃止されることになる。'98年9月の最初の「人口基準」穏和によって、'98年度の新規免許枠は6323件に達した。 それまでの年平均1200件に比べると大幅増であった。 規制穏和で一般酒販店は大きなダメージを受けることが確実になってくる。一方、規制穏和でメリットのあるのは、コンビニ、食品スーパーといったチェーン店が中心となる。最近では、酒免許取得率は、大手スーパーで50~60%、 大手コンビニで40~50%の水準に達し、今後これらのチェーン店が比率100%をめざしていくことで、一般酒販店への影響はさらに増大することになるであろう。例として、セブンイレブンだけで、ビール年間約1000億円の売り上げ、 約15万kℓの数量を持ち、全ビール市場の2%を1社で販売する最大の酒小売業である。これが、2003年9月以来は約2000億円、約30万kℓとなって、全ビール市場の4%にあたるシェアを1社で握ることになると予想される。

2003年以降の酒類業界はどうなる?

大局の流れは、コンビニ、食品スーパーのシェア増大および異業態・異業態参入小売業の動向である。 すでに言われていることではあるが流通および消費の新たな潮流は次の6点である。
(1) グローバル(国際化)
(2) ヘルシー(健康志向)
(3) スペシャリゼーション(専門化)
(4) エコロジー(環境)
(5) エレクトロニクス(電子商取引)
(6) ボランティア(社会貢献)
2003年以降の酒類業界は、これら「六つのトレンドキーワードのもと、これがよりダイナミックに変化を加速させていく。また、規制穏和により、新販路・新需要開発は、 おそらく異業態・異業界によってもたらされることであろう。


2)新しいタイプのリカーショップのプランニング

酒販店の平面設計は、店の営業形態や売場の大きさや建物の形態、規模などにより、それぞれ異なってくるが、酒販店の一番の特徴としては、倉庫が必ず必要なことである。酒類商品の品切れ防止のためで、 酒類の売り上げ構成比が高くなる店ほど、倉庫面積は広くとる必要がある。 プランニングに際する留意点には次のことがある。
(1)売場と倉庫及び事務所の機能を十分考慮して配置する。
(2)事務所の位置は、売場と倉庫の中間に配置する方が効率よく管理できる。
(3)一般的な酒販店に見られる売場と住居部分が接近している場合は、上記と同様にすべてがスムーズに機能できることが大切である。
(4)倉庫はいうまでもなく、商品搬出入が便利に行える位置が第一である。
(5)売場から倉庫を見せて、立ち入り禁止であった倉庫にお客自身が入り、多くの商品を自分でわざわざ捜し、見つけてとってくる、宝捜しのようなゲーム感覚も必要になってくる。また、事務所をオープンにして、 従業員がきびきび動いている姿をお客に見せる。このアクティブ感などは店に活気を出させる要因である。
(6)酒類専門店では、変化のあるレイアウト、斜め配例や曲線配例と直線配例の組み合わせなど、単純にならないよう動線計画を考える。
(7)これから最も重要なことは試飲スペースである。飲んでもらいたい酒類は必ず強いんしてもらうが必須であり、この試飲するスペースの配置が重要になってくる。
(8)ワインに限らず、日本酒でも貯蔵庫の設置は必須になってくるだろう。ただ今までのセラーは(本来は地下室であるが、ここでは貯蔵庫の意味として使用)店内の一番端や隅に配置され、常に一定温度を保つため、 ドアが取付けられている関係でなかなかお客に中に入ってもらえなかった。クローズドタイプながら、日本酒の売場とかワインの売場の間に配置し、両方からお客が自由に出入りできるように配置するのも一つの手法である。 わざわざ入る臨場感もよいが、気軽に入れるセラーも必要である。

図1~5
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3)棚のデザイン

酒販店の商品のサイズは大きく、日本酒、焼酎、洋酒、ワイン、ビールそして飲料関係のビンの大きさに分けられる。また、商品特性として非常に重要があり、 デザインをする上でも、その重量に耐えられる強度を持った材料を考えなければならない。その中で特に地酒専門店、ワイン専門店に見られる商品棚のデザイン特性を挙げてみる。機能的なデザインでまとめる場合と、 その商品にまつわる材料、部品などを再利用して商品の持つ臨場感を醸し出すデザインにする場合がある。棚の機能は商品内容やサイズがさまざまであるため、基本は多段式のゴンドラタイプである。 下部がストックの場合と、小便臨場型で食品であれば籐かご、バスケット、また、輸入ワイン木箱、角ざる、瓶、樽などを利用し、商品の雰囲気を高めることが必要である。棚は可動式2~3段が普通である。 ただ棚という機能のため、商品を何種類も並べるだけでは訴求効果が表れない。例えば、買ってもらいたい商品があるならば、1フェース同じ商品を並べるだけでも目線がフェースに集中されるため、 購入のきっかけになる率が高い。メリハリをつけた陳列方法もこれからは重要である。

図6~8

4)立ち飲みコーナー

関西には昔から「もっきり」と呼ばれる立ち飲み屋があり、今でもけっこう存在している。関東では新橋、神田界隈のビジネス街に多くあるようだ。 昔は酒販店の一角や店頭などで日本酒樽やモルト樽などを利用した台に酒を置きながら立ち飲みしていた。近年はあまり見かけることがないが、これからは試飲を兼ね備えた立ち飲みコーナーを酒専門店、 ワイン専門店などに設置し、お客に飲む機会、場面をつくるということが非常に大切になってくる。さりげなく、しかし雰囲気のよいカウンターが必要だ。カウンターの甲板は使用頻度の非常に激しい所で、 なおかつ水分を吸収しない硬い材料でなければならない。汚れにくく平滑なものであることが望ましい。こばれた水がお客にかからないように甲板の見切りに水返しをつける方法もよく見られる。 足掛けはカウンターの腰に当たらないように250mm前後の距離を確保する。また、ちょっとよろけた時のためにカウンターの手前に手掛けをつけておくと親切である。

図9

5)物販コーナー

酒販店の物販コーナーは酒類以外では食品、ギフト、タバコなどがあり、特に食品における袋菓子、袋珍味などからの脱皮が必要である。 酒と相性のよい食品の提供。これからはこの商材の表現方法が重要になってくると思われる。こだわりの素材と味、エコロジー感覚を盛り込んだナチュラル性豊かな食品などを販売する必要がある。表にこの食品のキーワードを並べてみた。

キーワード

手作り・伝統製法・高鮮度・フレッシュ・○○たて・グルメ・厳選・高級・物産名物・地の物・無添加・有機・自然・オーガニック・健康・滋養・美容

特にこれらの商品は試食がポイントである。試食しなければなかなか売れない。積極的な試食と接客の要素が大きいため、なるべくレジカウンターの近くの方が効率がよい。 また、期限切れ間近の食品などは試食会などのアイテムとして利用するぐらいの戦略的なローテーションを考えながら回転しなくてはならない。 また、コンビニに見られるような衝動買いアイテムをレジカウンターに配置させることも重要である。


6)量り売り

古くて新しい量り売りは、今や新時代の専門店技術を伝える魅力的な販売方法である。おいしく飲みたいお酒を飲みたい分だけ帰るシステムが量り売りである。お好みの量をお好みの容器で。
<特徴>
○ただ単にメーカー固有の商品を販売するだけでなく、鮮度や小分けにこだわり、新しいイベントの提案をする。
○量り売りをすると店内に酒の香りが漂い、試飲を通してお客との接点、コミュニケーションなどが図れる。
○環境に対して優しい買い方(不必要な包装を省き、手作業による瓶詰め)。
○文化の啓発を育む
以上のような特徴をそれぞれ酒の持つ文化的な雰囲気、臨場感などを醸し出す様に考え、プラン・デザインをしなければならない。また、衛生基準の関係で手洗いを設ける必要がある。

図10

量り売り可能アイテム

日本酒、本格焼酎、泡盛、ワイン、スピリッツ(蒸留酒)、リキュール、ウイスキー、シェリー、ブランデー

面白いアイテムとして:上質オイル、香り高いビネガー、米、味噌

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7)ワインセラー

日本酒、ワイン専門店では設置する場合が多い。特にワイン販売に力を入れている店などでは必須条件といえるが、 店の奥にあったり温度を一定に保つためドアが付いており、非常に入りづらくなっているセラーがほとんどである。そのため、なるべくスムーズに入ってもらえるワインセラーを、 クローズドタイプながら左右両方に入口を設置し、そしてガラス貼りで開放的にして気軽に入っていけるよう、またすぐ出ていけるようにしてある。 このセラーの最大の特徴は温度と温度の安定を図る機能である。特に温度に関しては呼吸する石調温材(火山の爆発によって生じた火山礫で物理的には多孔質であるため、 透明性、通気性、保水性、吸着性に優れており、高温時には余分な水分を吸収し、温度100%という結露を防ぐ。また、低い温度の外気が入ってきた時には 火山礫穴に含まれていた水分を蒸発させる自律性自然呼吸石)を床に敷き、壁面にも取付け、ワインセラー全体を調温させる役割を長期間保持する空間に仕立てている。

図11

8)これからのリカーショップのデザイン

21世紀は文化の成熟化がいっそう進展して、個人個人の選択肢が広がってくる。心身の疲れを癒し、生活を楽しむノウハウの必要性・重要性はますます増してくる。 酒を単なる酔うためのアルコール飲料から、文化性のある生活の楽しみとしてアプローチすることが酒販店にとって大切になる。 2003年以降、酒は「どこでも買える」状態になってくる。「どこでも買える」ということは、選択権がお客の側にあるということだ。そこで、いかにしてお客に選択してもらえる店になるのかが最大の話題となる。 自店がどのような気持ちのお客に選ばれるのか、お客のストライクゾーンに自店のコンセプトを明確に投げ込まなければならない。そのペースとして、酒を提供する店にふさわしい“店舗空間”が大切になってくる。 これからの酒販店の店舗空間は、そこがただ心地よい空間の店というだけではなく、酒の持つ文化的な奥行きの深い演出空間をつくりあげることが重要になってくる。 そこで問題になるのは、“店舗をデザインする”という考え方から、“店舗をプロデュースする”という考え方への転換だ。 店舗のデザインとプロデュースの違いはどこにあるのか。まず店舗デザインがスペースなどの配置や店の床、壁などのデザインをするのに対して、プロデュースは店舗全体にシーンを作り上げ、舞台でいう大道具から小道具、 さらに店名、ロゴ、POP、ユニーフォムやサービスまでトータルにコーディネートすることにある。 ただ、デザインのよい空間で、うまい酒を提供するだけでは、これからの酒販店として魅力があるとはいえまい。どんな客層(客単価を含む)、TPO,どんな酒の楽しさを提供するのかという、シーン(場面)と店のコンセプトを明確にして、 そのコンセプトに沿った演出の下で、そのコンセプトに合った酒を提供することで魅力ある店になる。 これからは、「買う人と売る人」といいた単純な機能主義では成立しない、交流=人間関係が築かれる商いが求められている。その核心は、お客の一人一人に合った商品アドバイス(専門知識)や買い物を楽しむ環境づくり(演出)、 そして売り手のセンスや価値観(売り手の個性)である。 それにもまして酒販店オーナーのサラリーマン化しない職人気質が地元に根付き、消費者=生活者の古くて新しい人間関係=“顔見知り”社会が経営の基礎体力になる。「新職人気質時代の到来」という酒の文化性をどう自店流に演出 ・表現できるか、トータル・プロデュースされた酒販店だけがこれから生き残れる店である。

図12
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